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2005年08月03日
秘密の首飾りと謎の思い出
昨日、ロンドンでレース納入のお仕事の報告をしたわけだけれど、
その後冒険者ギルドに行ってみたら、
また気になるお仕事を見かけたの。
首飾りに首ったけ |
宝石商が見たくてたまらなくなるような首飾りかぁ。
なんだかすごそうねぇ。
それにしても、なんとかそれを見せてもらってって、
まぁた無茶なことを言い出してるわ。
宝石商の方々が頼んでも見せてもらえないのに、
一介の会計士が拝見できることなんてあるのかしら。
誰にも見せたがらないってことは、
それだけ大事にしているってことでしょう?
いやまぁ、それだけの物ならば、
是非ともわたしも見てみたいところだけど。
で、その持ち主っていうのは、誰なの?
依頼の仲介をしてるんだから、名前くらいは知ってるんでしょ?
ねぇ、ねぇってば!
…ちぇ、
情報の出し惜しみするなんて…。
しょうがないなぁ、もぅ。
わかったわよ。
ナントまで行って、自分で見つけてくるわよ。
まぁ、そんな立派な首飾りを持ってる人なんて、
そんなに多くないんだから、すぐにわかるでしょ。
いつもの積み荷 |
例によってダブリンでたんまりとウイスキーを積み込んだら、
さっそくナントに向かって出発しましょう。
~∽.*.†.*.∽~∽.*.†.*.∽~∽.*.†.*.∽~
首飾りを持ってそうな人かぁ。
そう言えば、ナントには王女だか王妃だか、
そんな人がいたわね。
王女マルグリット?
あぁ、確かそんな名前だったわね。
相棒ってば、女のことになると詳しいわねぇ。
ん?
王女マルグリットって、
ひょっとしてあの『マルグリット・ド・ヴァロア』?
絶世の美女として名高い、あの王女マルゴ?
ひゃぁぁぁ… (°o°;)
こんなところでとんでもない人が出てきたものね。
これは気合いを入れてかからなければ…。
というわけで、まずは酒場で情報収集よ。
目的地直行 |
あはははは。
いきなり王女殿下のところに直行だわ。(笑
心の声 |
うぅ、しまった。
こんなことなら、貸金庫からドレスを出してくるんだったなぁ。
こんな格好で、お恥ずかしい。
でもまぁ、来ちゃったものは仕方ないわね。
眠ってる社交スキルをフル活用して、
なんとか失礼のないように、商談開始よ。
商談ってゆーか、ただのお願いだけれど。
お姉さま口調 |
えぇ、ありますあります。
そりゃもう、なでなでしすぎて角がなくなるっちゅうくらい
愛でたいと思っておりますです。
お母様の思い出の品ですかぁ。
それはさぞかし大切でしょうね。
それをちょっと、ほんのちょっと見せていただくだけですので。
えぇ、間違っても触ったりなんていたしませんことよ。
謎のご婦人 |
ほっ…。
なんだか安心して腰が抜けそう…。
でも、ここでしっかりしなきゃダメよ、ナナリー。
いつか夢がかなって貴族になれたら、
こんな経験をしょっちゅうするようになるんだから。
それにしても、王女マルグリットの母親といえば、
あのフィレンツェの名門であるメディチ家出身の王妃、
『カトリーヌ・ド・メディシス』よね。
その王妃カトリーヌが大事にしていた首飾りかぁ。
これはまたずいぶんと大物が出てきたものね。
宝石商の方々がどうしても見てみたいって言うのも、うなずけるわ。
でも、そのご婦人って、いったい誰なんだろう…。
~∽.*.†.*.∽~∽.*.†.*.∽~∽.*.†.*.∽~
というわけでさっそく教会に、首飾りを見せてもらいにやってきました。
こちらがここの神父さん。
神父です |
…ねぇ、ちょっといいもの食べ過ぎてるんじゃなくって?
いくら聖職者が儲かるからって、
そんなにふくよかだと民衆から反感を買っちゃうわよ。
もうちょっとダイエットした方がいいと思うわ。
ね♪
噂好き |
ディアーヌ・ポワティエ!
出たかその名前っ。
フランス国王アンリ2世とその父親であるフランソワ1世の、
親子2代にわたって愛され続けたという、妖怪じみた美女。
アンリ2世なんて、なんとこの人にお城まで与えちゃうような寵愛ぶり!
まぁ、そのお城――シュノンソー城は、
後にカトリーヌに奪われて徹底的に改造されてしまうわけだけれど…。
でも、自分よりだーいぶ年上(それも親子ほど)の女に負けたとあっては、
カトリーヌとしてはさぞかし面白くなかったでしょうね。
いくら政略結婚だったとはいえ、ねぇ。
で、このポワティエ夫人。
お城まで貰っておきながら、なぜか首飾りは受け取らなかったみたい。
うーん、謎だわ。
さすがに申し訳なく思ったのかしら。
まぁ、受け取らなかったってのは、
気分じゃなかったってことでよしとしましょう。
でも、でもね、
だからといってそれをカトリーヌにあげるなんて、
ちょっと失礼な話よね。
アンリさん、そこへ直りなさいって感じ。
カトリーヌがその事実を知ったら、どんなに悲しむことか…。
ってか、怒り狂うわね、わたしなら。
ん? ちょっと待って。
じゃあ、さっき王女様が話した思い出って、
いったいどういうことなの…?
王妃カトリーヌはことの顛末を知らず、
純粋に夫からのプレゼントを喜んだっていうこと…?
事実を知ってたら、とても心を和ませるなんてできないわよね。
まぁ、考えても仕方ないわ。
とりあえず、その書物台の下にあるっていう
首飾りを拝見するとしましょうか。
図らずも触ってしまうことになったけれど…。
赤いよ青いよ |
うわわわっ。
な、なんかすごいものが出てきたよっ。
綺麗ってのを通り越して、凄いっていう感想しか出てこないわ。
さすがは王様の贈り物。
なーんていうか、よっぽど好きだったのねぇ。
ポワティエ夫人が。
うわぁ |
ルビー、おっきぃなぁ…。
なんかもう、ため息ばっかりになっちゃうわ。
ねぇ、これちょっと、首に巻いてみてもいい…?
さすがにそれはダメ…?
あ、そう…。
ほぅ (。・_・。)
いいもの見せてもらったわ。
とりあえず仕事は完遂したし、
あとはリスボンで報告するだけね。
で、結局そのご婦人って誰だったんだろう…。
投稿者 ナナリー・ナナスタシア : 2005年08月03日 14:59
コメント
すっげぇ 首飾りだね
こんなのしてたら肩がこっちまうわな~
しかし、まあいろいろ逸話があって・・・
とっても恐れ多いのは判ったけど
何で書物台の下においてあるのさ・・・?
それはそうとご婦人、その仇であるポワティエ夫人
だったりしてね~
因縁浅からぬ、二人の女性は世間の風評とは違って
仲が良かったとか~
ま、んなこたぁないか・・・ やっぱし
投稿者 相棒 : 2005年08月04日 15:07